石鎚山系ロングトレイル
豊かな自然や生態系に溢れ、古代からの歴史や信仰が色濃く残る石鎚山系。
東西約60kmに連なる石鎚山系ロングトレイルだからこそ、見える景色や人々との交流があります。
尾根を伝って山から山へ、時には寄り道したり、ガイドに案内してもらったり、
新たな発見や出会いに満ちた石鎚山系ロングトレイルで「歩く旅」を楽しみませんか?
山頂から稜線を振り返れば、自分の歩いてきた道のりと、景色の荘厳さに感動すること間違いなしです。
1,700m以上の個性豊かな山々が10座以上を数える雄大なスケールの石鎚山系。
温暖な四国にありながら、頂上付近は亜寒帯性の植物を有し、冬は白銀の世界、春~夏は高山性植物、秋には紅葉と、一度のトレイルで2~3シーズンタイムトリップすることも可能です。その他にも、石鎚山系ロングトレイルでは、山頂からの景観美だけではなく、面河渓などの渓谷美も楽しめるのが特徴です。
石鎚山系ロングトレイルの見どころ
石鎚山系の基礎知識
西日本最高峰の石鎚山(1,982m)を中心に、東西約60km以上に広がる石鎚山系。約180万年前に急激に隆起しはじめ、現在でも続いています。
石鎚山系のトレイルを歩いていると、足元の岩石の種類が場所によって違うことを感じたり、突如として驚くほどの巨岩が現れるのを見ることができます。地球が長い年月をかけて作り上げた複雑な地層や地形によって成り立っている山であることをリアルに体感することができ、地質学にはあまり興味がないという人でも感動を覚える瞬間です。
石鎚山系で見られる動植物
石鎚山系には、「暖温帯林」「稚移帯林」「冷温帯林」「亜寒帯林」があり、標高ごとに違った姿を見せます。枝葉の作る緑のトンネル、ブナやツガの巨木が佇む静かな森、一面に輝くササ原と、その中にそびえたつ白骨林。石鎚山系の環境に適応するために独自の変化をした固有種も多く、一説によると40種類以上も存在するといいます。
植物だけでなく、生き物も多く生息する石鎚山系。この場所にのみ生息する希少種を含め、2,000種以上の昆虫や、シカやタヌキ、高地特有のほ乳類であるヤマネ、モモンガなど、38種類のほ乳類が確認されています。
ロングトレイルコース
石鎚山系ロングトレイルのコースは、所々不明瞭な場所が含まれ、体力が必要な上級者向け、
全体的に距離が長く、急坂が含まれる中級者向け、
比較的なだらかな道が多く、知名度高めのコースが多い初級者向けに分けられます。
ロングトレイルを楽しめるように、自分に合ったコースを選びましょう。
ガイドに同行してもらい、より深く石鎚山系について学ぶこともできます。
上級者向けコース
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- 面河渓
- 面河山
- 石鎚山(弥山)
- 距離:7.5km
- 時間:約5時間
- 難易度: ★ ★ ★
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美しい面河渓の先には、石鎚山頂へと続く、静寂な山歩きを楽しめるトレイルが待っている。このコースは、尾根近くまで回り込むようになっており、歩を進めるごとに石鎚山の姿が変化し、視覚的にも見ごたえのあるコース。
基本的には整備されたトレイルが続き、道に迷う心配はないが、愛媛大学石鎚小屋の手前とその先は、丸太橋やガレ場、滑りやすい場所があり注意が必要である。面河山経由で石鎚山(弥山)に登り、土小屋に下山、バス運行日には最終便で戻ることも可能だが、山頂の山荘で宿泊して、翌朝ご来光を拝むのがおすすめ。このコースでは、夏にはノリウツギの花、秋には面河渓が紅葉で染まる姿が見られる。
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- 日浦登山口
- 銅山越
- 西赤石山
- 東赤石山
- 筏津
- 距離:9.3km
- 時間:約8時間50分
- 難易度: ★ ★ ★
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花の山として名高い西赤石山~東赤石山にたどり着くには、厳しい道のりを越えなければならない。特に、前赤石山~八巻山~東赤石山の間には、岩稜地帯が続き、ふみ跡が不明瞭なところもあるので注意が必要。地図やGPSを利用しながら、進むべきルートを確認することが欠かせない。
花を楽しみたい場合は、4月下旬~9月末ごろまでがベストシーズン。高山性植物の可憐な花たちに癒されます。
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- 太田尾越登山口
- 東光森山
- 野地峰
- 朝谷登山口
- 距離:9.8km
- 時間:約9時間
- 難易度: ★ ★ ☆
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手入れされ、歩きやすくなった東光森山から野地峰。東光森山からはいくつものブナの姿を見ることができる。また野地峰はかつて白滝鉱山が栄えた跡地周辺に位置し、その遺構も見られるアップダウンコース。
県境を忠実にトレ―スする尾根道ながら、岩場やロープなどアップダウンがあり注意も必要。5月には緑濃い自然林の中に、白い花を咲かせるシロヤシオを見ることができる。
中級者向けコース
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- 保井野
- 堂ヶ森・二ノ森
- 石鎚山(弥山)
- 距離:10km
- 時間:約6時間30分
- 難易度: ★ ★ ☆
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雄大なササ原の風景で多くの登山者から愛されている堂ヶ森。この山から続く尾根沿いのトレイルは、南面はなだらかなササ原、北面は急斜面で、時に断崖といった対照的な景観をみせる。
歩を進めるたびに、角度を変えた姿を見せつつ徐々に迫力を増していく主峰・石鎚山。はるか遠くまで連なる稜線のトレイルは、石鎚山系の奥深さを感じさせる。
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- 大瀧
- 手箱山
- 土小屋
- 距離:11.6km
- 時間:約6時間
- 難易度: ★ ★ ☆
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四国三郎・吉野川の源流域にある名瀑・大瀧の滝から眺望の良さが自慢の手箱山を経由して土小屋に至るコース。登山口から急坂を上ると、藩政時代に土佐藩主へ氷を献上した氷室が復元され、当時の番所跡を進んでいく。途中、黄色い花を咲かせるキレンゲショウマの群生地や、コケの濃い緑が独特の雰囲気を醸し出している場所がある。
祠が鎮座する手箱山山頂は石鎚山や瓶ヶ森・伊予富士などの景色が目の前に広がり、視覚的にもとても楽しめるコース。
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- 瓶ヶ森駐車場
- 伊予富士
- 桑瀬峠
- 寒風山トンネル南口
- 距離:12.5km
- 時間:約6時間20分
- 難易度: ★ ★ ☆
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瓶ヶ森の東面の急坂を下りきったあたりに、四国三郎・吉野川の源流碑が立つ。ここから西黒森~自念子ノ頭(黒森山)~東黒森へと、360度のパノラマビューを楽しむことができる。途中、急斜面の場所はアルミ製のハシゴを利用していたり、補助用の鎖を使用する場所もあり、石鎚山系ならではのトレイルを体験できるのがこのコースの特徴。
伊予富士からの急な下りは体力を消耗するが、振り返ってみるその姿は迫力満点。
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- 寒風山トンネル南口
- 桑瀬峠
- 寒風山
- 笹ヶ峰
- 丸山荘
- 距離:7km
- 時間:約5時間20分
- 難易度: ★ ★ ☆
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この区間は、愛媛・高知両県に多くの登山口があり、様々なアプローチ方法がある。高低差が比較的少ないので、中級者が縦走しやすいルート。稜線の大部分はササ原で、視界も良好。所々、笹が茂りすぎて踏み跡が隠れてしまっている箇所があるため、注意が必要。
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- 丸山荘
- 紅葉谷分岐
- ちち山分かれ
- 冠山・平家平
- 三ツ森山登山口
- 距離:12km
- 時間:約5時間35分
- 難易度: ★ ★ ☆
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ちち山分かれから石鎚山系の東端まであるくこの区間は、ほぼ稜線上のなだらかなトレイルを歩く。爽快な眺望を楽しみながら、どこまでも見通せる快適なルート。
左手に愛媛県、右手に高知県の山々が広がる素晴らしい景色を思う存分満喫できる。山頂とは思えないほど平らなササ原の景色は圧巻。冠山から平家平までは軽いササ漕ぎが必要だが、平家平から三ツ森峠まではずっと緩やかな下りが続き、快適なトレイルを楽しめる。
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- 三ツ森山登山口
- 三ツ森山
- 大座礼山
- 大座礼山登山口
- 距離:10.6km
- 時間:約7時間20分
- 難易度: ★ ★ ☆
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アケボノツツジで知られる三ツ森山からスタートし、ブナの森に包まれた大座礼山、同じくアケボノツツジに彩られる東光森山を目指すコース。県境沿いの尾根道から離れて位置する大座礼山からは、大田尾越まで一度標高を下げる。途中にはブナの巨木が点在する気持ちの良い森が広がる。
大座礼山から東光森山は、手の届く場所にあるように見えるが、ピーク手前は急峻な登りでなかなか手強い。岩場がある場所もあり、注意が必要。
いきなり二座縦走は厳しいという人には、一座ずつ上るのもおすすめ。
初級者向けコース
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- 石鎚登山ロープウェイ 山頂成就駅
- 成就社
- 石鎚山(弥山)
- 距離:4km
- 時間:約3時間10分
- 難易度: ★ ☆ ☆
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石鎚山頂を目指すメインルート。古くから参道として使われ、しっかりと整備されているため迷う心配はない。石鎚登山ロープウェイを利用し山頂成就駅から石鎚山頂を目指すのが一般的だが、体力に自信があればロープウェイを使わず、旧参道から登るのもおすすめ。その場合、所要時間が長くなるので成就社又は山頂山荘で宿泊を。
弥山にたどり着くまでに試しの鎖があるが、安易に挑戦するのは危険。無理をせず迂回路を進むのがよい。弥山からは西日本最高峰の天狗岳を望むことができる。
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- 石鎚山(弥山)
- 土小屋
- 瓶ヶ森駐車場
- 距離:13km
- 時間:約6時間
- 難易度: ★ ☆ ☆
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石鎚山頂を起点に瓶ヶ森を目指すコース。それほど急な上り・下りもなく、初心者でも縦走に挑戦できる。しかし、土小屋からよさこい峠の間には、不明瞭な道やガレ場などの荒れた区間があるので慎重に進むこと。
また、弥山から土小屋へ向かう途中には鎖場があるが、下りの鎖は危険な為、迂回路(登山道)をすすむ。道中のシラサ峠には避難小屋や、野営地、瓶ヶ森にも新しい避難小屋が完成し、ここをベース拠点としてじっくり巡ることもできる。