登山の装備
山に登るためには必要かつ相応しい装備があります。
山の天候は変わりやすく、標高によって気温も変わるなど、
下界とは条件が違うことを念頭におき、適切な服装、食料と飲み物、
ザック、雨具、地図などを用意したいもの。
石鎚山系は日帰りで楽しめる山もたくさんありますが、どんな山にも油断は禁物です。
装備はそのまま自分の命を守るものにつながるので、
怠りなくしっかり準備を整えましょう。
服装
登山の服装は、ベースレイヤー・ミッドレイヤー・アウターレイヤーの3つのレイヤリング(重ね着)が基本。
ベースレイヤーは肌着や下着、ミッドレイヤーはその上に着る中間の服、アウターレイヤーは上着のこと。レイヤリングの組み合わせで春夏秋冬の服装が決まる。
コットン(綿)素材のレイヤーは汗が乾きにくく、体温を奪われるので避けよう。
帽子は日差しや頭上の障害物から頭部を守るためだけでなく、冬は防寒にもなるので、季節を問わず必ずかぶりたい。
初めての登山には、ポイントを知った上で普段着を活用し、必要に応じて買いそろえていくのが賢い方法。
- 春夏秋
- 春秋は、長袖のベースレイヤーで、生地も中厚口くらいのものを。ミッドレイヤーにはフリースやウールなどの保温性の高いものが適しています。アウターは防風・防水機能のあるソフトシェルタイプのものか、寒気を遮断し暖気を逃さない化繊のミッドレイヤーでも代用できます。
夏は、ベースレイヤーを通気性や速乾性にすぐれた化繊系のTシャツや半袖アンダーウェアにすると良いでしょう。ミッドレイヤーにはポリエステル系の長袖シャツ、もしくはカーディガン。ケガや虫、紫外線を防ぐためにも半袖は避けてください。アウターは通気性がよい薄手のもので、紫外線防止機能のあるものを選ぶと良いでしょう。
- 冬
- 保温性の高い化繊やウール素材のベースレイヤー、ミッドレイヤーには厚手のフリースやダウンジャケット、アウターレイヤーは防水性・防風性のあるゴアテックス製のものが多い。雪に反射する光は思う以上に強い。サングラスやゴーグルも忘れないようにしよう。
- アウターレイヤー
- アウターレイヤーは大別するとハードシェル、ソフトシェル、ウインドブレイカーに分けられます。
ハードシェルはゴアテックス素材のものが多く、防風防寒機能や防水透湿性能が最も高く、厳冬期の雪山や3,000m級の登山など、厳しい環境での使用に耐えられます。
ソフトシェルはハードシェルと比べて耐水性や防風性は低いですが、透湿性能や通気性が高いのが特徴です。ストレッチ性があり、長時間の着用でもストレスが少ないために使い勝手がよく、様々な性能のモデルが各メーカーでラインナップされています。
ウインドブレイカーは軽量で、透湿性と耐風性は高いが防水性はありません。春秋の低山トレッキングや夏の登山に適しています。
- トレッキングシューズ・ソックス
- 山の装備の中で最も重要なトレッキングシューズは普通の靴と違ってソールが固く、足首を固定できるのが特徴です。
整備されていないトレイルでは岩や木の根が飛び出していることが多く、ソールがやわらかいと足裏への負担が大きくなります。ソールのしっかりした靴を選びましょう。
くるぶしが隠れる高さのシューズをミドルカット、それより短いのをローカット、長いのをハイカットといい、ハイカットが最も足首をしっかり固定できます。足首を固定することで、捻挫と歩く際につま先が前にずれるのを防ぐことができます。
同時にソックス選びも重要です。肌触りがよくてフィット性があり、ムレと衝撃を防ぎ、保温性のあるものを選びましょう。素材は化繊やウールのものをおすすめします。
- パンツ・タイツ
- 足上げがしやすく動きやすいこと、通気性、速乾性、耐久性があり、水や汚れをはじく撥水性があることなどが選ぶときのポイントです。
一番メジャーなロングパンツ、ショートパンツ、ロングとショートの使い分けができるコンバーチブルパンツがあります。
春・秋~冬場におすすめのロングパンツは種類も多く、防護性、防寒性があり紫外線も防いでくれます。
夏場にはショートパンツが快適で行動性も高いが、ケガや虫を防ぐためにタイツやスパッツを併用してください。
年間を通じて登山を楽しむなら、季節や環境に応じて形を変えられるコンバーチブルを選ぶのもいいでしょう。ロングパンツとともに生地の厚みによって大まかに春夏向けと通年向けに分けられます。
登山用のタイツには運動パフォーマンスを高めるサポートタイプと、血流を促進して疲労を軽減するコンプレッションタイプがあります。必須アイテムではありませんが、あればさらに快適です。
- グローブ
- ケガや日焼けの防止、防寒対策など、グローブは一年を通して必要なアイテムです。サイズの合わないグローブでは指先の感覚が損なわれたり、用具が扱いにくくなるため、必ずジャストサイズものを選んでください。
ものをつかむ機会が多い場合は手のひらの部分に滑りにくい素材が使われているものや、滑り止め加工がされているグローブを。
夏場にはメッシュ生地や速乾性の高い化繊生地を使ったUVカット加工が施されたものを、
冬山用には防水性が高いアウターグローブと保温性の高いライナーの二重構造になっているものを選びましょう。
耐久性が高い素材が使われた、手の甲や指の部分にクッションが入ったグローブはケガの防止に役立ちます。
必携品
- ザック
- 長時間背負っても疲れにくく、背中が蒸れにくい登山専用のザックを用意しましょう。
大まかな容量の目安として、日帰りなら15〜30L程度の小型ザック、1〜2泊で食事付きの山小屋泊なら25〜45L程度、テント泊で食料と調理器具を持ってなら40〜70L程度。
ザックを腰で固定するウェストベルトとチェストストラップは、重い荷物を長時間背負う際の負担を大きく軽減してくれます。
- レインウェア
- 山の天候は急変しやすいものです。突然の雨に襲われ、服が濡れてしまったままでは体温が奪われて体力が低下し、時には命にかかわる事態につながりかねません。
脱ぎ着がしやすく動きやすい上下セパレートタイプで、内部の水分を透過する透湿性のあるものが適しています。またレインウェアは防寒着として活用することもできます。
レインウェアと同時にザックを雨から守るザックカバーも用意しておきたいアイテムです。
- 地図・コンパス
- スマートフォンのアプリなどで登山用の情報サービスを受けられますが、電波が入らなかったり電池切れの恐れがあるので必ず紙の登山用地図やコンパスを携行しましょう。
書店などで購入できる登山用地図には、コースタイム、水場、テント場、山小屋、危険箇所や見どころ、近隣の公共交通機関など登山に必要な情報が網羅されています。
- ファーストエイドキット
- 絆創膏、湿布、テーピングテープ、ガーゼ、包帯、消毒液、虫刺され薬、頭痛薬、下痢止め、鎮痛薬などを濡れないようにパッキングして持って行きましょう。
テープなどを切るハサミやトゲ抜き、ジップ式のビニールバッグ、新品のタオルや手ぬぐいも一緒に入れておきたいアイテムです。健康保険証のコピーがあると万が一の時に役に立ちます。
- 携行食
- 登山はたくさんのエネルギーを消費するので、小まめにエネルギー補給をしなければスタミナ切れ(低血糖など)でフラフラになることも。チョコレート、クッキーやナッツ、ドライフルーツなどを少しずつ食べてスタミナを維持しましょう。
エナジーバーやゼリー飲料、ミニドーナツや羊羹、キャラメルやソフトクッキーなど、高糖度、高カロリーでコンパクトに持ち運べるものが適しています。
- ヘッドランプ・懐中電灯
- 日没後の行動はできるだけ避けたいが、何らかの原因で下山が予定より遅くなることも十分に起こり得る。日帰り登山でも非常用のライトは用意しておきましょう。
足場の悪いトレイルでは両手の使えるヘッドランプが威力を発揮する。軽くて丈夫な防水仕様のものを選び、予備の電池も忘れずに持参しましょう。
ヘッドランプがどうしても用意できない場合は小型の懐中電灯やペンライトでも代用できます。
- 着替え
- ベースレイヤーとミッドレイヤー 、靴下の替えは日帰り登山でも用意してください。急な雨に遭遇したり、沢やぬかるみなどで靴下が濡れたとき、そのままだと不快であるばかりでなく、思わぬトラブルを引き起こす原因にもなりかねません。
- タオル・手ぬぐい・ティッシュペーパー
- タオルや手ぬぐいは汗を拭くだけでなく、首に巻いて寒さを防いだり、ケガの応急処置にも使えます。吸水性が高く、速乾性のものが適しています。手ぬぐいは簡単に引き裂けるので緊急時の紐がわりにも使える便利なアイテムです。
ポケットティッシュは量が少ないので、トイレットペーパーの芯を抜いて潰したものをビニール袋に入れて持っていくといいでしょう。
- ビニール袋・防水バッグ
- 濡れたものや着替えを入れたり、ゴミを入れたり、雨が降ったときに荷物が濡れないように使うなど、何かと重宝なビニール袋。45Lの大型のゴミ袋と小さなビニール袋の両方があれば便利です。
耐久性のある防水バッグは荷物の整理にも役立ちます。
- 携帯電話・モバイルバッテリー
- 電波の繋がりにくい山中でも尾根に出れば電波が届くことがあります。緊急時の連絡用として必ず持って行きましょう。登山中は機内モードにしておくとバッテリーの消耗を防ぐことができます。モバイルバッテリーを持参しておくとさらに安心です。
スマートフォンであれば移動距離や平均速度、ピンポイントでの天気予報などがわかる登山用のアプリもあり、電波の入らない山中でもGPSを利用すれば現在位置を知ることができます。
プラスワンアイテム
- トレッキングポール
- 歩行時のバランスを保ち、足腰への負担を軽減してくれます。T字型とI字型があり、選び方は好みだが、T型は1本で杖のように使い、I型は2本で推進力の補助として使うのに適しています。
- サングラス
- 強い日差しはもちろん、木の枝などからも目を保護してくれます。フィット性の高いスポーツ専用タイプが望ましいでしょう。
- ゲイター(スパッツ)
- 靴の足首周りをカバーして、小石や砂、雨や雪などが靴の中に侵入するのを防ぐと同時に、パンツの裾が汚れたり傷つくのを防いでくれます。
- 防寒着
- 下界では暖かくとも山頂や日影では思う以上に寒さを感じることがあります。念のために夏でも薄手のフリースやダウンジャケットは持っておきましょう。
- ウェストポーチ・サコッシュ
- ザックのウェストベルトに付いているポケットやサイドポケットに小物類を入れられますが、山小屋などでザックを置いて移動する際にはウェストポーチやサコッシュなどがあると便利です。
- 日焼け止め、虫除け
- ライター
- ナイフ
- ホイッスル
- エマージェンシーシート
- 携帯トイレ
- 筆記用具
石鎚山系の宿泊施設
- 常住白石旅館
- 石鎚登山の表道・成就道の宿です。
石鎚神社成就社境内にあり、常住屋白石旅館は登山・スキー客・信者のみなさまにご愛用いただいています。
http://ishizuchikanko.com/shiraishi_joujusha/
- 国民宿舎石鎚
- 国民宿舎石鎚は、標高1500メートル、四国の空を駆ける石鎚スカイライン、また石鎚登山の土小屋ルートの出発点付近にあり、登山シーズンや「お山開き」の際には大変多くのお客様でにぎわいます。
登山時のお弁当もお作りいたします。西日本最高峰を望む宿をぜひお楽しみください。
- 国民宿舎古岩屋荘
- 公営の国民宿舎は、国立公園・国定公園・都道府県立自然公園・国民保養温泉地などの、自然環境に優れた休養地に建つ公共の宿でございます。どなたでも余暇を楽しみながら、健康の増進をはかるため、気軽にご利用いただける宿舎としてつくられました。
- 石鎚ふれあいの里
- 廃校になった小学校を改装し、 山間部の振興、都市住民との交流を目的に石鎚ふれあいの里が開設されました。 旧校舎を改装した研修棟、木造のケビンやキャンプ場に加え、バーベキュー施設やスタッフ手作りの石窯やレンタル品等が整備されております。恵まれた自然環境の中、安全に野外活動を楽しんでいただけます。
http://oofuki.sunnyday.jp/
衣装協力:mont-bell 登山モデル:「アンジュルム」川村文乃さん サイクリングモデル:「アップアップガールズ(仮)」新井愛瞳さん
自然に感謝しよう
人間も自然の一部。山に入ったら何事にも謙虚な気持ちで接することが大切です。
特に石鎚山は山岳信仰の対象でもあり、貴重な高山植物の固有種も存在している。歴史的・科学的に貴重な場所であるということを理解しておいてください。
山に入れば自然の美しさや動植物の豊かさに感動を覚えるはず。この素晴らしい自然をいつまでもそのままの姿で残すためにも、一人ひとりがルールとマナーをきちんと守り、誰もが快適で安全に登山を楽しめるよう自然に感謝しながら接しましょう。
挨拶をしよう
他の登山者とすれ違うときには「こんにちは」と挨拶をするのが基本です。トレイルで出会う人には元気よくあいさつして、お互いに気持ちよくフィールドを共有しましょう。
挨拶をすることでお互いに顔や全体像が認識され、遭難や事故があったときの大切な情報につながり、大きな事故を防ぐことにも役立ちます。
また石鎚山には登山者に出会った場合、相手が下りなら「おくだりさんで」、相手が上りなら「おのぼりさんで」という独特の挨拶があります。
登りの人を優先しよう
トレイルでは上り優先が基本。上りの人は体力的にキツイため、ペースを変えないようにすることと、下りの人の方が前から来る人に気づきやすく、すれ違う場所を探しやすいことなどがその理由です。
自分が下っている場合は「お先にどうぞ」と一声かけて道を譲り、自分が上りの場合でも下りの登山者に道を譲るくらい気持ちに余裕をもって行動したいもの。もちろん場合によってイレギュラーなケースもあるので、互いに声を掛け合って譲り合いましょう。
すれちがう時は早めに知らせる
トレイルで後ろから追い越すときは、早めに一声かけて自分の存在を知らせましょう。
追い越される側が山側に避けたり、落石を起こしにくい・受けにくい安全な場所に避けられるところまで移動してから追い越してください。その際は絶対に走らないこと。黙ったままでいきなり追い越すと思わぬ事故を誘発することがあります。
またヘッドフォンをつけたまで歩くのもマナー違反。すれ違いのときなどのかけ声や落石の音など、周囲の音が聞こえないので非常に危険です。
大人数の場合は配慮ある振る舞いを
石鎚山系のトレイルの大部分は人一人がやっと歩ける道幅しかないところがほとんど。大人数で山を楽しむ場合は自分たちだけの世界に入ってしまい、周囲のことが見えなくなりがちだが、他の登山者への配慮を忘れないようにしてください。
トレイルをふさいで休憩したり、写真を撮ったりすることはマナー違反。大声でずっと騒ぎながら歩くのも、山の静けさを乱し、他の登山者の迷惑となります。「集団で走る」などという行為はもってのほかです。
決められたトレイルを進もう
裸地発生の防止や植物の保護のため、そして遭難防止のため、トレイル以外のエリアには入ってはいけません。一度踏み荒らされてしまえば、失われた自然を再生するのは困難なことなのです。
丸太の階段など、土砂流出止めの道では脇を通らないように。ストックは石突きにキャップをつけて使用し、トレイルから外れた位置に突かないのがルールです。
常に自らの安全確保と自然への影響を最小限にするために、決められたトレイルを守りましょう。
ゴミは必ず持ち帰ろう
ゴミになるようなものはできるだけ持ち込まないことが大切です。その上で自分が出したゴミはもちろん、トレイルに落ちているゴミを見つけたら拾って持ち帰りましょう。ゴミ箱があったとしてもできるだけそこには捨てないように。
弁当などの食べ残しも野生動物に影響を与えるので捨てないこと。
アメなどの包装紙は気付かないうちにポケットから落ちてしまうこともあります。ポケットには包装紙や小さいゴミを入れず、専用のゴミ袋を用意しておきましょう。
動植物を大切にしよう
動植物を傷つけたり、採取してはいけません。岩石や鉱物を採る事も条例で原則禁止されています。「登山の記念に」と植物や石などを持ち帰る行為は、例えほんの少量でも許されません。
野生動物に餌を与えることも自然界の食物連鎖に影響を与えたり、人慣れした動物による事故にもつながりかねない危険性があります。
石鎚山周辺は、国定公園・鳥獣保護区・森林生態系保護国に指定され、自然や景観が厳格に保護されています。地域外の動植物を持ち込まないことも重要であり、特にペットは同伴しないこと。
携帯トイレを準備しよう
トレイル上には充分にトイレ設備が整っていません。人間の排泄物も生態系に影響を与える可能性があるため、必ず出発前にトイレを済ませておきましょう。
山のトイレにはいろいろな形式のものがあります。注意書きをよく読み、ルールを守って利用してください。協力金や利用料という名目で料金が必要な場合もあるので、小銭を持って行くことも忘れずに。
万が一に備えて携帯トイレを持参しましょう。使用する際はティッシュも全て持ち帰ること。携帯トイレはアウトドアショップやホームセンターなどで購入できます。
自分の行動に責任を持とう
登山は基本的に自己責任。無理のない計画と十分な準備で自分の身を守る必要があります。時間に余裕を持った行動で、天候の急変時には撤退も含めた慎重で冷静な判断を。
事前の下調べで危険な箇所や通行止めなどを確認した上で、地図を必ず携行し、現在位置を確認しながら進みましょう。
登山計画を周囲に伝え、登山届を提出することも大事なことです。
山岳保険に加入しておくと安心です。遭難時の捜索費用補てんや入院費のカバーができるものなど、補償額や補償内容などもさまざまなタイプの保険があります。1日数百円で加入できるものや年間契約のものもあるので、目的に合ったプランを探してみましょう。
サイクリングの装備
サイクリングとは元来“自転車に乗って移動すること”ですが、
日本語では特にレクレーションやスポーツとして自転車に乗ることを指します。
サイクリングにはスポーツタイプの自転車が利用され、
車種によって楽しみ方も変わるので、自分に合った自転車を選びましょう。
同時に安全・快適にサイクリングを楽しむため、きちんとした装備を準備することが大切です。
自転車の種類
スポーツ自転車はロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクという大きく3つの車種に分けられ、それぞれ違った特性があります。
サイクリングを楽しむロケーションや、どんな楽しみ方をしたいのかによって適する車種が決まってきます。
- ロードバイク
- 長距離の舗装路を“いかに早く快適に走るか”を追求したのがロードバイク。人力で最も早く走れる乗り物といわれています。
軽量な車体、路面抵抗の少ない細いタイヤ、ドロップハンドルで前傾姿勢になって空気抵抗を極力小さくし、スピードが出せるように設計されています。
操作性も耐久性も高いのですが、タイヤが細いため段差に弱いという欠点があります。
- マウンテンバイク
- 山や非舗装路などの不整地などのオフロードを走行するために設計された自転車。段差などの衝撃に耐えられる太いタイヤ、衝撃を和らげるサスペンションなど、頑丈で耐久性にすぐれ、砂利道や街中の段差をなども気にすることなく走れるタフネスさが魅力です。
漕ぎ出しが遅く感じることがある、車重が重くロードバイクやクロスバイクよりスピードが出ない、などが欠点として上げられます。
- クロスバイク
- ロードバイクとマウンテンバイクの中間的な性能を持った自転車で、通勤などの街乗りからサイクリング初心者の導入モデルとしても人気があるオールマイティな自転車です。
走行感はマウンテンバイクより軽快でロードバイクよりも重いというのが特徴。
気の向くままにサイクリングを楽しみたい、普段の移動をスムーズにしたい、自転車で遠くまで行ってみたいなどの希望をかなえてくれます。
- E-Bike(イーバイク:電動アシスト付きスポーツバイク)
- ヨーロッパ諸国で大きな広がりをみせており、日本でも急速に注目を集めている電動アシスト付きのスポーツバイク。電動アシストが付いているため、体力に自信がない方でも急な坂道コースや⾧距離のサイクリングを楽しめます。
サイクリングに挑戦したいけれど体力的な理由で悩んでいる方や、サイクリング経験の少ないグループでサイクリングを楽しみたいなど、多くの方がサイクリングの楽しさを体感できる新しいツールです。
服装
サイクリングには、乾きが早いもの、スムーズに脚が動かせるもの、風の抵抗が少ない服装が適しています。季節を問わず楽しめるサイクリングですが、季節に合わせたウェアを選ぶことも必要です。
朝晩と日中の寒暖差が激しい春秋は体温調節のしやすいものを選び、ウインドブレーカーなどを寒さ対策に準備しましょう。
夏は速乾やUVカット機能にすぐれたものを、冬は寒いからといって厚着をすると汗びっしょりになってしまい、逆に体を冷やしてしまします。速乾性の高いインナーと防風機能の高いウェアを選びましょう。
ヘルメットやアイウェア、グローブなども必須アイテムです。
- ヘルメット
- サイクリングを安全に楽しむために絶対に必要なアイテムがヘルメット。
スピードの出るバイクでは、万が一落車してしまったときのダメージは想像する以上に激しいものです。
また公道では自動車と併走することになります。
交通ルールをしっかり守っていても、不幸にして事故に巻き込まれてしまう可能性もあり得ます。
ひとつしかない大切な自分の命を守るために、ヘルメットは必ず装着しましょう。
- アイウェア(サングラス・ゴーグルなど)
- アイウェアも必須アイテムのひとつです。
風を切って走るスポーツバイクだからこそ、露出している目は乾燥して涙が止まらなくなったり、砂埃やゴミ、虫、はね上げられた小石などが飛び込んでくる危険があります。
また長時間紫外線にさらされると疲労するだけでなく眼の病気を発症することにもなりかねません。
- サイクルジャージ
- スポーツバイクに乗るライダーの姿勢や快適なライディングをサポートするため、あらゆる面を考慮して設計された自転車専用のウェアがサイクルジャージです。
汗を素早く吸収して乾かす吸湿速乾性素材を使用し、体にフィットする構造になっているため、体が冷えるのを防ぎながら快適なライディングをサポートしてくれます。
背中のポケットに財布や携帯電話を収納できたりするなど、ライダーの利便性もしっかり考えて作られています。
- サイクルパンツ・インナーパンツ
- 固いサドルに長時間座ってペダルを漕いでいると誰でもお尻の痛みに悩まされます。
痛みを軽減させるためには厚めのパッドが入ったサイクルパンツを着用することをお勧めします。しかし見た目のインパクトが強く、慣れないと恥ずかしく感じる人もあるようです。その場合は普通のパンツの下にインナーパンツを着用するという方法もあります。特に長時間・長距離を走る時には必須のアイテムです。
- サイクルグローブ
- 人間は転んだとき反射的に手を出して体をかばうため、手はケガをしやすい部位であり、ケガをしてしまうと的確なハンドルやブレーキ操作をしにくくなります。
サイクルグローブの役割は、転倒時の怪我を防ぐこと、汗でハンドルから手が滑るのを防ぐこと、手に伝わる振動を吸収して痛みや疲れを軽減することなど多岐に渡り、いずれも安全に走行するために必要な機能です。
- ビンディングシューズ・ビンディングペダル
- ビンディングシューズとビンディングペダルを固定することで、脚を踏み込んだときと引き上げるときの両方でペダルに力を伝えることができ、効率的よく漕ぐことができます。
ロングライド、ヒルクライムなどの体力を使うコースには特にお勧めのアイテムです。
しかし、便利な一方で着脱が難しく転倒してしまう恐れも。初心者の方は人通りや車通りの少ない場所で練習して、危険性を十分に理解してから使用しましょう。
必携品
- パンク修理キット
- サイクリングを楽しむのであれば自分でパンク修理ができるようにしておきましょう。パンク修理の三種の神器が携帯ポンプ・タイヤレバー・チューブ。最低でもこの3つをそろえていればひとまず安心です。難しそうに思えるパンク修理も、やってみると意外と簡単にできてしまいます。ショップなどで事前に教えてもらっておきましょう。
- マルチツール
- サドルの上げ下げや、ハンドルの角度調整、ディレイラーの調整、出先でのトラブル時に役立つのがマルチツールです。アーレンキー(六角レンチ)、トルクレンチ、メガネレンチ、ドライバー、ナイフなど、自転車修理に必要な工具が付いている自転車専用の折り畳み式マルチツールがいろいろなメーカーから出ています。
- ライト
- ライトは前方を照らすというより自分の位置を相手に知らせるために必要です。日が暮れてからの無灯火運転は道路交通法違反となるので、必ず前方ライトと、後方には反射器材か赤いテールライトを装着しましょう。照射範囲、固定力、脱着のしやすさなどがライトを選ぶポイントです。灯火の色や明るさなどの基準は地方自治体ごとに違いがありますが、基本的に前後とも「点滅」ではなく「点灯」するものを選びましょう。
- ファーストエイドキット
- 自転車は思う以上のスピードが出るので、転倒や落車すれば大きなケガを負うことになりかねず、不運にして事故に巻き込まれてしまうこともあり得ます。また救助が来るまでに時間がかかる場合もあるので、最低限の応急処置ができるように水(傷口の洗浄用)、絆創膏、滅菌パッド、サージカルテープ、ガーゼ、ティッシュなどのファーストエイドキットを携行しましょう。
- ヒップバッグ・バックパック
- 財布、携帯電話、カメラ、水や補給食、パンク修理キットなど、ロングライドに必要な荷物はヒップバッグかバックパックに入れて持ち運びましょう。スポーツバイクは前傾姿勢で乗るために、腰、肩などに負担をかけないよう荷物が重くなる場合はフロントバッグやトランクバッグを取り付けて、できるだけバイク自体に荷物を乗せることをお勧めします。
- 水
- サイクリングは大量の汗をかくので水分補給は必須です。ペットボトルを持っていくのでもいいですが、キャップを開けないで走りながらでも飲めるサイクルボトルが便利です。各メーカーからいろんな種類のサイクルボトルが販売されているので、用途や気温、距離などによってボトルの大きさを使い分けましょう。バイクのフレームにボトルケージを取り付ければ携帯するストレスもなくなります。
- タオル・手ぬぐい・ウェットティッシュ
- 汗を拭くためのタオルや手ぬぐいも忘れずに。大量の汗をそのままにして体が冷えると体温を上げようとエネルギーを消耗するので疲れてしまうだけでなく、悪臭の原因にもなってしまいます。抗菌・除菌タイプのウェットティッシュは体を清潔に保つために役立ちます。緊急のメンテナンスなどで手が汚れたときにもウェットティッシュがあると助かります。
- 雨具
- ロングライドやツーリングには必ず雨具を持参しましょう。一時しのぎならば安価なビニール製でも間に合いますが、スピードの出る自転車用の雨具には防水透湿性素材を使ったもの、ベンチレーション機能のあるもの、縫製部分にシーム加工がされているものなどを基準に選ぶといいでしょう。雨具はメンテナンスを怠ると性能が低下してしまいます。使用後はよく洗って陰干しし、防水スプレーを吹き付けておきましょう。
プラスワンアイテム
- 輪行セット
- ルートによっては行き・帰りに“自転車を分解して専用の袋に入れて、交通機関に乗せて移動する”輪行をしなければいけない場所があったり、何かのトラブルで身動きがとれなくなることもあり得ます。
輪行セットには比較的小型なものもあり、ボトルゲージにセットできるものもあります。輪行をマスターするとサイクリングの幅が飛躍的に広がります。
- GPS内蔵サイクリングコンピューター
- サイクルコンピューターとは自転車用の電子デバイスで、走行距離、積算距離、走行時間、ケイデンス、心拍数、消費カロリーなど、さまざまな走行データを記録してくれ、機種によってはルート検索&案内をしてくれるものもあります。
サイクルコンピューターのデータを客観的に把握することで、より効率的に運動量をアップさせることができ、走行履歴をWEB上で公開することもできます。
- 補給食
- サイクリングは思った以上にエネルギーを消費します。何も食べずに走ると足がつったり、フラフラしてきたり、最悪の場合ハンガーノックを起こして動けなくなってしまうこともあります。エナジージェルやエナジーバー、バナナや羊羹など、吸収が早くエネルギーに変わりやすい補給食を携行しましょう。大量に汗をかく夏場は水分と同時に塩分なども消費してしまうので注意が必要です。
- ロック
- スポーツバイクでは前後輪と外のオブジェクトなどを一緒につなげられるロングタイプのケーブルロックなどが人気ですが、その他にもケーブルロックより太くて切断されにくいチェーンロック、U字ロック、スチールプレートを連結した折りたたみ式のブレードロックなどがあります。重量、信頼性、耐久性、扱いやすさ、価格などを基準に選びましょう。
- カメラ
- 日焼け止め
- 筆記用具
- ネッククーラー、ネックウォーマー
- 着替え
石鎚山系の宿泊施設
- 常住白石旅館
- 石鎚登山の表道・成就道の宿です。
石鎚神社成就社境内にあり、常住屋白石旅館は登山・スキー客・信者のみなさまにご愛用いただいています。
http://ishizuchikanko.com/shiraishi_joujusha/
- 国民宿舎石鎚
- 国民宿舎石鎚は、標高1500メートル、四国の空を駆ける石鎚スカイライン、また石鎚登山の土小屋ルートの出発点付近にあり、登山シーズンや「お山開き」の際には大変多くのお客様でにぎわいます。
登山時のお弁当もお作りいたします。西日本最高峰を望む宿をぜひお楽しみください。
- 国民宿舎古岩屋荘
- 公営の国民宿舎は、国立公園・国定公園・都道府県立自然公園・国民保養温泉地などの、自然環境に優れた休養地に建つ公共の宿でございます。どなたでも余暇を楽しみながら、健康の増進をはかるため、気軽にご利用いただける宿舎としてつくられました。
- 石鎚ふれあいの里
- 廃校になった小学校を改装し、 山間部の振興、都市住民との交流を目的に石鎚ふれあいの里が開設されました。 旧校舎を改装した研修棟、木造のケビンやキャンプ場に加え、バーベキュー施設やスタッフ手作りの石窯やレンタル品等が整備されております。恵まれた自然環境の中、安全に野外活動を楽しんでいただけます。
http://oofuki.sunnyday.jp/
衣装協力:mont-bell 登山モデル:「アンジュルム」川村文乃さん サイクリングモデル:「アップアップガールズ(仮)」新井愛瞳さん
交通ルール・マナーを守ろう
自転車を運転するのに運転免許証は必要ありませんが、道路交通法上は「軽車両」に分類され、車道の左端を走行することが義務付けられています。サイクリングロードでも基本的には左側通行を守りましょう。
自分勝手な走行は歩行者やドライバーの迷惑になるだけでなく、事故の被害者・加害者になってしまう恐れもあります。信号・標識・標示を厳守し、楽しく安全に、快適なサイクリングを楽しんでください。
並走しない・大集団で走らない
また縦一列で走行する場合、あまりにも長い列になってしまうと危険です。5人くらいを目安にいくつかのグループに分かれ、列の間を開けて走行しましょう。
ながら運転は禁止
携帯電話やスマートフォンなどを操作しながら、傘をさしながら、よそ見をしながら、などの“ながら運転”は、注意力が低下し事故につながる恐れがある大変危険な行為です。絶対にやめましょう。
特にイヤホンで音楽を聴きながら自転車に乗ると、音量に関係なく、イヤホンをつけること自体で周囲の音が聞こえにくくなることを知っておいてください。
スピードを出しすぎない
自転車は思う以上にスピードが出る乗り物です。一瞬の油断が思わぬ事故につながります。人身事故や大ケガの原因にもなりかねないスピードの出し過ぎには注意してください。
車道はもちろんのことですが、サイクリングロードでも自転車に乗ること以外で利用している人もいます。歩行者に配慮した運転を心がけましょう。
“かもしれない”運転を
自動車の運転と同じように、「何かが・誰かが飛び出してくるかもしれない」「急に動くかもしれない」など、常に危険を予測しながら走行しましょう。事故を未然に回避し、当事者にならない運転をすることが大切です。
追い抜くときは合図をしよう
前走者の背後から速度を落とさず無言で追い抜いていくのは、追い越される側の気分を害するだけでなく危険な行為でもあります。15~20mくらい手前から「右(左)通ります」と声をかけ、減速して右(左)を通過しましょう。通過には「ありがとうございました」などの挨拶も忘れずに。
声がけ・ハンドサインを活用しよう
前を走っていると後方で起こる出来事に意外と気づかないものです。後ろから自動車などが来たときには、最後尾から順番に前に向かって「車」と声を掛けましょう。
声掛けと同時にハンドサインを活用するとより安全です。“曲がる、止まる、右・左に寄れ、速度落とせ、落下物に注意”など、さまざまなハンドサインがあるので積極的に活用しましょう。
迷惑駐輪をしない
自転車の人気が高まりサイクリング人口が増えるに伴い、迷惑駐輪が問題視されています。通行人などの迷惑になる場所に止めないようにし、長時間放置しないようにしましょう。混み合っている場所に止める場合は特に他人の自転車を傷付けないよう注意してください。車体にスタンドがついていないスポーツバイクはサイクルスタンドなどを活用しましょう。
飲酒・酒気帯び運転は厳禁!
自転車も車両の一種なので飲酒運転をすれば “5年以下の懲役または100万円以上の罰金” という罰則が適応されます。酒気を帯びている人に自転車を提供したり、飲酒運転を行うおそれのある人に酒類を提供することも禁止されています。
輪行時は周囲への配慮を忘れずに
自転車を電車や船、飛行機などの公共交通機関に持ち込んで運ぶ「輪行」でのトラブルも増えています。自転車は解体しても大きな荷物になるため、混雑する時間帯の利用を避ける、昇降口をふさがない、乗降時には周囲の人や物にぶつからないよう細心の注意を払うなど、他の乗客の邪魔にならないようできるだけ配慮しましょう。
トラブルシューティング動画
サイクリング中のパンク修理方法や前輪後輪の脱着、輪行バッグへの収納手順などを紹介した動画です。
スムーズに行えるよう、動画を見て事前に練習しておきましょう。