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お知らせ活動報告 2025.05.07

【編集部だより】石鎚山系のニホンジカ

 古い文献によると、明治時代までは石鎚山系に多くのシカが生息していたようです。その後、シカの生息情報は途切れるのですが、2010年頃から再び確認されるようになってきました。

 徐々に分布が広がり、現在では石鎚山系の全域で生息が確認されています。昼間は人目につかない場所にいるため、シカの姿そのものを見ることはほとんどありませんが、リョウブなど木の皮を食べた跡を各地で見ることができます。

リョウブ

(シカにかじられたリョウブの木)

 

 シカは元々日本に生息していた動物ですが、シカが増えるにしたがって、植物の衰退などの問題が生じています。石鎚山系にしか生育していない植物がシカに食べ尽くされることにより絶滅する可能性や、裸地化することにより土壌が流出することが心配されています。

 

(たびたび目撃されるシカ)

 

 希少な植物をシカから守るために、石鎚山系の各所に防鹿ネットが設置されています。また、沓掛山や平家平にはウラジロモミの幹にテープを巻き、シカから食べられるのを防いでいます。登山中に防鹿ネットが壊れていた場合にはぜひお知らせください。

防鹿ネット

(植物の保護のため、防鹿ネットを設置)

 

 シカが多く生息していた明治時代には、なぜシカによる植物への影響が生じなかったのか、これからのシカとの共存を考えるためにも明らかにしていかねばなりません。