お知らせ 2025.03.19
【編集部だより】春目前の石鎚山系
例年以上の寒気に見舞われた2月が過ぎ去り、暖かい日が増えてきた石鎚山系。
今月の編集部だよりは、目前となった石鎚山系の春がテーマです。
石鎚山系の春とイシヅチザクラ
石鎚山系の春は3月下旬のショウジョウバカマを皮切りに、鮮やかな花々が開花していきます。
春の代名詞である桜(ヤマザクラ・オオヤマザクラ)も追従し、関連イベントで盛り上がりを見せます。
また、桜が散る時期である4月中旬以降は、シバザクラが見頃を迎えます。
〇大川村さくら祭しばざくら祭(2025年は3月30日(日)より開催予定)
ここまでが、石鎚山系の麓における春です。
山頂においては、麓と気温や天候が大きく異なるため、一か月以上遅れて春がやってきます。
例えば、山頂に自生するイシヅチザクラの開花時期は4月下旬から5月上旬と、
一般的な桜より遅いことからも、その遅さが伺えます。
〇イシヅチザクラ
このイシヅチザクラは、四国山地の標高1,400mを超える一部地域に自生する四国固有の種です。
石鎚山系では、標高1,700m以上を中心に見られます。
タカネザクラとキンキマメザクラに特徴が似ていることから、
両種の自然交雑種が起源とされていますが、どちらも四国で確認されていません。
気候変動でイシヅチザクラだけが四国山地に取り残されたのか、
あるいは両種に関係がない別種なのか、起源には諸説あります。
面白い謎を抱えたイシヅチザクラですが、自生地が限られ個体数も少なく、
愛媛県と高知県では絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。
地味な花に見えるかもしれませんが、石鎚山系を彩る大切な存在です。
今年の登山は、イシヅチザクラを目当てにしてみるのはいかがでしょうか。
春山登山とガイド
季節の変わり目で様々な変化がある春山登山は、ガイドと一緒がオススメです。
本サイトでは様々な専門分野を持つ【ガイドの紹介】、【インタビューを交えた紹介記事】がございます。
非常に面白い記事となっておりますので、登山を考えている方は必見です。
経験や知識の豊富なスペシャリストと一緒に石鎚山系を登ってみませんか。
また、4月~5月の石鎚山は雪が残っている箇所が多く冷え込みもきつい状況です。
昨年掲載しました【春の石鎚山系を登山する皆さまへ】も参考にご覧ください。