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お知らせ 2025.02.07

【編集部だより】シカとの共存

石鎚山系でニホンジカが急激に増えています。

元々、シカは四国に広く生息していた動物です。江戸時代の終わり頃から、森林の破壊によって減少し、絶滅に近い状況になっていたと推測されています。その後、高縄半島や東予東部に残っていたシカが回復し、2010年頃から石鎚山系にも復活してきました。

 復活したものの、森のほとんどはスギ・ヒノキの人工林となっており、その林にはシカの食べ物となる植物は少ない状態です。そのため、シカはスギ・ヒノキの植えられていない標高の高い場所や自然の森が残る場所に集中してしまいます。

 シカは縄張りを持たないため、食べ物のある場所に集中します。シカが植物を食べるのは自然なことですが、たくさんの植物を食べるために、回復できないほどに食べつくしたり、希少な植物が食べられたりしてしまうこともあります。植物がなくなると土が剝き出しになり、雨が降ると土が流れ出してしまいます。石鎚山系には石鎚山系にしか生育していない種類(固有種)の植物もあり、シカが過度に集中することは問題です。

(シカに食べられ続け背丈が低くなったササ)

 

 現在、希少な植物を守るために、石鎚山系の数か所で木にテープを巻いたり、ネットで囲ったりしながら、希少な植物を守ろうとしています。

 

(岩黒山に設置の防鹿ネット)

(平家平周辺のウラジロモミにテープを巻き、食害予防)