お知らせ 2024.10.11
【編集部だより】石鎚山系の動植物(秋編)
10月上旬になると、石鎚山山頂付近の紅葉が始まります。ちょうどその頃、山にはアトリやマヒワの群れが現れます。どちらも冬鳥として、四国に渡来するスズメほどの小鳥です。
アトリは年によりますが、大きな群が現れることもあり、山の上から見ると色づいた木の葉が舞っているように見えます。冬の訪れと共に、標高の低い所へ移動し、刈り取りの終わった水田で観察されることもあります。
(アトリ)
一方のマヒワは冬が来ても山に留まります。アトリほどの群れにはなりませんが、数十羽が木の種を盛んについばんでいる様子が見られます。
(マヒワ)
雄シカの鳴き声が聞かれるのも、10月初旬頃からです。繁殖期を迎えた雄は、昼も夜もよく通る、少し悲しげな声で鳴きます。明治期までは、石鎚山系にも多くのシカが生息していたようですが、その後姿を消し、2010年頃から再び確認されるようになってきました。
最近ではノウサギもよく見かけるようになり、イノシシとサルも観察される標高が以前より高くなってきています。
(ツタウルシ)