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お知らせ 2024.08.09

【編集部だより】夏の石鎚山

 7月1日から10日まで開催されるお山開きの行事が終わり、一時の大雨の後、石鎚山は夏本番を迎えます。標高1600m以上では、イヨフウロ、ナンゴククガイソウ、キレンゲショウマなど花々が咲き、北壁の下などではお花畑となります。

(ナンゴククガイソウ)

 

 お花畑には、ブナなどの木々やササが見られません。こうした場所は、冬に雪崩が発生したり、雪が吹き溜まるなど、樹木が生育するのが困難な場所なのです。石鎚山の山頂付近は温暖な四国にありながら、標高が高いために寒冷です。木々に覆われない限られた場所で、花を咲かせる植物たちが短い夏の間に一斉に花を咲かせるため、お花畑が出現するのです。

 お花畑とまではなりませんが、UFOラインの道路沿いでも40種類以上の花々を観察することができます。

 

(イヨフウロ)

 

 登山道を歩いていると、フワフワと飛ぶアサギマダラという大きな蝶に出会うことがあります。翅に見られる水色の古い呼び名である、浅葱色(あさぎいろ)から名前が付けられました。アサギマダラは渡りをする蝶として知られ、秋には南西諸島や台湾まで渡り、夏の間は石鎚山など標高の高い場所で過ごします。成就社、土小屋周辺やUFOライン沿いでも見られます。翅の水色の部分には鱗粉がなく、稀に数字や文字が書かれていることがあります。これは、渡りを調べるために記入されたもので、この調査により渡りの実態が明らかになりました。

 

(アサギマダラ)